わかりやすい説明の仕方の完全まとめ。説明下手を卒業しよう!
言いたいことがなかなか伝わらない
話しているうちに自分でも何が言いたかったのか分からなくなる
上記のように「説明に苦手意識を持っている人」に向けて書いています。
日常生活でも仕事でも、わかりやすく伝える技術はとても重要です。
とくに仕事の場面では伝えるのが下手だと上司に叱責されたり、正当な評価が得られなかったり、損することが多いです。
逆に、わかりやすい説明ができるようになると次のようなメリットがあります。
・主張が通りやすくなり仕事がスムーズに進む
・物事を構造的に捉えられるようになり、常に頭の中が整理された状態になる
・説明が上手い頭の良い人だと思ってもらえ、昇進しやすくなる
そこで本記事ではあなたの説明をわかりやすくするためのポイントを解説していきます。
・わかりやすい説明の順番
・自分の思考を整理するコツ
・説明力を磨くトレーニング方法
目次
わかりやすい説明とは何か?
わかりやすい説明とはどういう状態を指すのでしょうか?
結論、わかりやすい説明とは「説明後に聞き手の頭の中が整理されている状態」を指します。
よくよく考えると当たり前ですが、なかなかできないんですよね。。
聞き手の頭が整理された状態を作り出すには、次のことを整理してから話をする必要があります。
①説明する相手のレベルはどれくらいか
②何をどの順番で話すか
③自分の言いたいことは何か
①は見落としがちですが、わかりやすい説明では相手の理解度に合わせた説明をすることが重要です。
専門家の話がわかりづらいのはここに原因があります。
具体的な整理方法は次の項で説明します。
②でよくやりがちなのが、自分の考えた順番で話してしまうことです。
あくまでも聞き手が知りたい順番で話すことを心掛けましょう。
こちらも次の項でわかりやすい説明の順番を解説します。
③は途中で自分の言いたいことを見失ってしまう人がおろそかにしがちな項目です。
話す前は言うことを決めてたつもりだけど、
話すうちに「あれっ」何が言いたいんだっけ?となることが多いです。
安心してください。
自分の言いたいことを整理するコツがありますから後ほど紹介します。
わかりやすい説明の順番
わかりやすい説明の順序に入る前に、前提として説明には次の2種類があることを理解しなければなりません。
・自分主導の説明
・相手主導の説明
一つ目の自分主導の説明とは、自分の主張や何かしらの結論がある場合の説明で、いうなれば「ゼロから組み立てる説明」と言えます。
一方二つ目の相手主導の質問とは、何か相手から聞かれたときにする受動的な説明で、「問に答える質問」です。
どちらの説明なのかによって説明の順番が決まってきますので、まずはどちらかを明確にしてください。
①自分主導の説明の場合:わかりやすい説明の順番
ではまず自分主導の質問の場合です。
わかりやすい説明には次の順番で説明すると効果的です。
1. 前提をそろえる
2. 結論、主張、本質
3. 根拠、理由、事実
4. 補足情報
5. 結論、相手に促したいアクション
1. 前提をそろえる
結論を話す前に必須なのが前提をそろえることです。
ここが共有できていないとどれだけ主張をわかりやすく話しても相手は分かってくれません。
前提となる情報をそろえる
相手の知らないことを話すときや、久しぶりに話す内容で相手が覚えていなさそうな場合は前提となる情報の共有から始めましょう。
具体的には次のような項目は最初に説明しておくべき内容です。
・説明する内容の基本知識
・報告する数字の定義
・表や図の見方
・これまでの経過、既に決まったこと等
相手の理解度と説明のレベルを揃える
これから話す内容について相手がどの程度のレベルの知識を持っているか確認することも重要です。
前提となる情報を知っていても説明のレベルが合っていないと、聞き手はすぐに話についていけなくなります。
したがって、確認できる場合はまずは相手の理解レベルを確認しましょう。
できない場合は「相手がわかっていない」という前提に立って話を進める必要があります。
話の範囲をそろえる
はじめに説明する範囲をそろえることも重要です。
相手の期待する内容のすべてをカバーできない場合は「説明の範囲」を決めましょう。
2. 結論、主張、本質
結論、主張ではあなたの言いたいことを一言で伝えます。
説明を受けた聞き手に何か行動を促したい場合は、先に期待する行動を伝えましょう。
先に要望を伝えておくことで相手がどういう意識で話を聞けばよいかが分かります。
本質の意味合いはあなたの結論をうまく表した一言と言い換えることができます。
結論を言うときは要するに○○、つまり○○、端的に言えば○○といったような表現ができないか検討しましょう。
3. 根拠、理由、事実
結論の後はその根拠、理由を説明します。
ここでのポイントは次の点です。
・これから理由を伝えることを宣言します
・理由はできれば3つ以内
・理由や根拠は客観的な事実で構築する
あなたの結論、主張が正しいことを説明するパートなので客観的事実を述べることはマストです。
4. 補足情報
補足情報は、根拠に至った経緯や背景、伝えなくても大きな問題がない話などがこれにあたります。
あくまでも相手の理解を助ける位置づけですからダラダラと話すのはやめましょう。
5. 結論、相手に促したいアクション
最後にもう一度結論、主張を伝えてクローズします。
最初に話した結論、主張に帰結することで自分の伝えたかった内容が完結します。
②相手主導の説明の場合
相手主導の説明の場合、多くの場合とっさに答えなければならないので結論と根拠など、順番の構築が難しくなります。
したがって難しく考えずに次の3つのポイントだけ抑えればOKです。
・大きいポイント(全体)から小さいポイント(個別)の順番で説明する
・相手が聞きたいのはあなたの解釈か事実かを見極め、相手が聞きたい方から話す
・事実を話す場合は客観的なものを選択する
とにかく意識すべきは相手の欲しい情報は何か、説明でそれを満たせているかを考えることです。
自分の思考を整理するコツ
わかりやすい説明の順番が分かったところで、次は説明の準備段階の話をします。
説明の準備段階ですべきことは自分の思考をまとめることです。
これをしっかり整理しておくことで説明の時に「結局自分は何が言いたかったんだっけ?」という状態を回避できます。
思考を整理する方法は次の4ステップです。
1. 相手の知りたいことを明確にする
2. 自分が伝えたいことを明確にする
3. 情報のギャップがないか確認する
4. ギャップを埋めるために、何が必要か考える
多くの場合、1.と2.が全く同じということはなく4.ギャップを埋めるための方法を考えることになります。
その際ギャップを埋める方法としては次の2パターンがあります。
・自分の情報を補強する
・相手の期待値をコントロールする
相手に合わせて自分の情報を補強するのは正攻法ですね。
2つめの相手の期待値をコントロールするとは、説明の冒頭に手持ちの情報、伝えたい情報の範囲を開示して「今日はこの話をします」と決め切ってしまうことを指します。
具体的には、今回の会議を解決策の提案ではなく課題は何かを整理する場だと定義したりすることで相手の期待値をコントロールすることが出来ます。
ついつい相手に合わせて自分側の情報を増やすことばかりやってしまいがちですが、相手の期待値をコントロールすることで会議の主導権を握ることにもつながりますから、ぜひ習得したい内容です。
相手の思考を整理すると説明がさらにわかりやすくなる
これまでは自分の思考を整理して、説明の順番を最適化することをお話ししました。
ここではさらに説明を分かりやすくするために、相手の思考を整理しながら話すということを考えます。
思考の地図を共有しよう
相手の思考を整理するときに有効なのが、思考の地図を共有しながら説明をすることです。
思考の地図とは全体像が何で、今どこの話をしていて、どこに向かった話をしているのかという情報です。
これらの情報を冒頭の「前提をそろえる」段階で共有しておくと効果的です。
地図を共有することのメリットは次の通りです。
・どこまでの範囲を考えればよいのかがわかる
・今自分たちがどの部分を話しているのかがわかる
・複数の論点の関係性がわかる
では地図を共有して説明する際のポイントを列挙します。
・地図はできるだけ大きくしよう
・地図は議論に沿って作り替えよう
・今話しているのはどこか焦点を明らかにしよう
・常に地図に立ち返ろう
一点補足すると、地図を広げるタイミングは冒頭が基本ですが、議論が紛糾してきたり、そもそも地図が共有されていない会議に参加した場合は会議の途中にでもホワイトボードなどに全体像をまとめると良いです。
そうすることで参加者を安心させることができ、あなたの説明を理解してもらいやすくなります。
まとめ:一番伝わる説明の順番
これまでの内容をまとめておきます。
・前提をそろえる
・結論、主張、本質
・根拠、理由、事実
・補足情報
・結論、相手に促したいアクション
最後に本記事を書くにあたって参考にした本を紹介します。
本書は今回の記事で紹介した分かりやすい説明方法に加え、説明力をさらに向上させるためのトレーニング方法まで記載されています。
わかりやすい説明ビジネスパーソンにとっては必須スキルですので、ぜひ読んで身に付けてみてください。