【書評・要約】「シンプルに結果を出す人の5W1H思考」の完全纏め/渡邉光太郎
仕事のパフォーマンスを上げたい!
問題解決が苦手、説得力のある説明ができない。
難しいフレームワークや思考・発想法を学んだけど、うまく活用できない。
上記のように「シンプルに仕事のパフォーマンスを上げたい人」に向けて書いています。
また最近は会社の仕事だけでなく、副業でもパフォーマンスを上げたいという方も増えてきています。
正直、本業も副業もハイパフォーマーになって成功したいです!
そんな状況におすすめなのが、本書「シンプルに結果を出す人の5W1H思考」です。
5W1H自体は多くの人が聞いたことがあるのではないでしょうか。
・Who 「誰」
・What 「何」
・When 「いつ」
・Where 「どこで」
・Why 「なぜ」
・How 「どのように」
この5W1Hを応用するだけで、物事の本質にせまり、新たな視点や考え方を与えてくれます。
巷にあふれる難しいフレームワーク(4P、3C、SWOTなど)を駆使する必要はありません。
・本質的な課題設定をするための方法
・思考・発想を広げてユニークなアイデアを出す方法
・説得力のある骨太ロジックを作って人を動かす方法
・問題の本質を特定して、筋のよい問題解決をする方法
この本を読んでわたしが感じたことは、5W1H思考は自然と日常業務、生活に取り入れられるということです。
5W1Hというすごく身近なワードを使うので、無理することなく受け入れられました。
目次
5W1H思考とは何か
5W1H思考を一言でいうと、「本質的な問いを出す方法」です。
筋の良い問題解決は、「答え」をひねり出す作業よりも、質の良い「問い」を出せるかどうかが重要です。
なぜなら、「答え」の多くは「キーワード(問い)」さえ入れればグーグルが探してくれるからです。
だからこそシンプルにして本質的かつ多面的な「問い」が問題解決のほぼすべてです。
この「問い」の源になるのが5W1H思考です。
5W1Hを応用することで次のことができます。
・課題提起 真の目的までさかのぼる
・モレなくヌケなく思考する
・説得力のある説明、説得をする
・筋の良い打ち手に絞り込む
本記事では、本書の内容と合わせてFIREを目指している私の実例を使って説明します!
では一つずつ解説していきます。
真の目的Big Whyへさかのぼる
何かの課題に取り組むとき、「目的」を意識することは当たり前です。
しかしその「目的」が表層的な目的になってしまっていることはよくあります。
大事なのは常に「これはWhatあるいはHowレベルのものではないか?」と疑問を持ち、Big-Why方向へ思考を引き上げる。
そのうえで再度下ってWhatやHowを再考するというプロセスです。
一旦Big Whyまで上がってから手段であるWhat / Howを考えることで、広い選択肢や道筋が視野に入り、さまざまな応用が効きます。
ここでFIREを目指して投資と副業を実践している私の現状を下記の図のように整理してみました。
まず、FIREを目指して投資と副業するのは手段のWhat / Howの部分です。
次にWhyなぜそれを目指すのかというと、自由に使える時間がほしいからです。
私はいままで、この段階で止まっていましたが、さらにその上のBig-Whyを出してみました。
自由な時間があったら何をしようかな。。。
わたしはこの質問に即答できませんでした。
普段からいかに真の目的が考えられていないかが浮き彫りとなりましたね笑
わたしがひねり出した答えが、時間を手に入れたら「自分の能力を使って何かを成し遂げたい」ということでした。
仕事から解放されても、まだ働くのかよ!
と自分でも突っ込みを入れたくなりますが、自分の心と会話した結果です。
つまり、わたしは「FIREしても自分の能力を使って何かに挑戦したい」という気持ちがどこかにあったのです。
すると、手段であるWhat / HowにもFIREする以外にも新たな選択肢が出てきます。
具体的には、社内の海外派遣制度に応募するといった選択肢が増えました。
FIREを目指すのはやめるということ?
FIREは今までと同じように目指します。
しかしそれと同時進行で仕事でもわたしのBig-Whyを満たしてくれる(かもしれない)選択肢に気づいたということです。
実際、私は海外派遣制度に応募を決めました。
それから入社以来手を付けていなかった英語を勉強し始めました。
まだまだ道半ばですが、これから頑張っていこうと思います。
よりよいBig-Whyにたどり着くための視点
「ありかた」
「ありがたみ」
「あたらしみ」
これらを意識して思考することで真の目的にたどり着きやすくなります。
モレなくヌケなく思考するための5W1H思考
ロジカル思考の基本として、モレなくダブリなくという考え方があります。
モレなく考えられているかという点も5W1H思考を使ってチェックすることができます。
今回は「2030年までに5000万円貯めてFIREするという目標を達成する」と豪語しているわたしの状況を整理してみました。
Why | 目的、ゴールは? | セミリタイアする |
What | 何をする? | ?? |
When | 期限や期間は? | 私が40歳になる2030年までに |
Where | どこで? | 日本で(生活費の安い海外もありかも?) |
Who(m) | だれと? | 家族と(妻一人、子供二人) |
How | どうやって? | セミリタイア(生活費の半分は働いて稼ぐ) |
How much | どれくらいの金額で? | 5000万円で |
ここで一点注意です。
まず情報を整理する上で、Whatは先に書かない方がよいということです。
なぜなら、他の4W1Hを書いていく中で、最適なWhat(何をするか?)が変わってくるからです。
なるほど、これまではFIREするために「投資と副業をする」と決め打ちしてました。
では実際に4Wを下記出してから、Whatを考えるとどうなるでしょうか。
注目はWhereの部分です。
これまでFIRE後どこに住むかは考えたことがありませんでしたが、生活費の安い海外で住むという選択肢も出てきました。
少し調べてみると、タイなどの東南アジアでは日本人の移住が増えており、医療も充実して不自由なく暮らせるかもしれないということが分かりました。
これも5W1H思考でモレなく考えたから得られた選択肢です。
するとWhatに「海外移住の知識を付ける」という項目が追加されました。
FIREもモレなく考えることで選択肢が広がりますね。
説明・説得の場面で使う5W1H思考
会社でも普段の生活でも、相手に説明したり、相手を説得する場面は誰にでもあります。
5W1H思考を使えば、分かりやすく説明でき、相手を説得することができてしまいます。
説明ではWhy-What-Howの3点セットを使う
まずは分かりやすい説明をする方法です。
結論から言うと、Why⇒What⇒Howの順番で伝えると分かりやすい説明になります。
(Whyは目的で、What、Howは手段です)
なぜなら、まずWhyで話の全体像を把握してもらうとそのあとの話もすっと入ってくるからです。
説明が分かりにくいと言われたことのあるひとは、ぜひためしてみてください。
説得ではWhy-Howのピラミッドを描く
ここでは相手に○○してほしい、○○すべきだということを説得する場合に有効な型を紹介します。
説得をする際は、下記二つを押さえるようにしてください。
Why「なぜ~すべきなのか」
How「どのように~するのか」
ここで下図のように、WhyにWhat・Who・Whenを組み合わせた説明を加えるとさらに効果的です。
Whyの部分を丁寧に説明してあげることがポイントですね。
ここで少し強引ですが、FIREすることを家族に説得する場面を想定します。
だいぶ簡略化してますが、実際はそれぞれの家庭環境における回答が追加されると思います。
仕事を将来的に辞める(変える)なら家族への説得が必要ですね。
まず主張は「FIREをすべきだ」です。
以下、ツリー図に記載がある項目の回答です。
Why What「なぜFIREなのか」 ⇒ 家族との時間を十分に確保したいから。
Why Who「なぜ私たちなのか」 ⇒ お互い共働きでこどもとの時間が取れていないから。
When「なぜ今なのか」 ⇒ FIREにはお金が必要で、必要資金を準備するには早く始めた方が良いから。
How「どうやってやるのか」 ⇒ ○○円確保する。○○という資産に○○年投資すると、複利で○○円に増える。
3W1Hで「決め打ち」、「むだ打ち」をなくす
最後は5W1H思考を使った、問題解決方法を説明します。
多くの場合で、問題解決が失敗する要因は「決め打ち」と「むだ打ち」です。
「決め打ち」とは根拠なく安易な慣れた結論に飛びつくこと、「むだ打ち」とは手当たり次第に情報を集めたり、気になったところを全て問題視して対策を打とうとすることです。
これらをなくすことができれば、筋の良い問題解決をすることができます。
具体的には次のステップで検討をします。
①What(何を解決するのか?) ⇒ 問題設定
②Where(どこが悪いのか?) ⇒ 問題個所
③Why(なぜ起こるのか?) ⇒ 原因
④How(どうするのか?) ⇒ 解決策
ポイントとしては、まず見えやすい「What」や「Where」から出発して、問題を正確に把握するところからスタートすることが重要なんですね。
そのうえで見えにくい「Why」や「How」といった、原因を探していくというステップをたどります。
ここでいう問題は何を指すの?
問題とは「あるべき姿(目標)」と「現状」のギャップのことをいいます。
そのギャップを洗い出すときも5W1Hが有効です。
つまり下記要素について「あるべき姿」と「現状」それぞれを整理、比較します。
そして差が出た部分がギャップになります。
・Who 「誰」
・What 「何」
・When 「いつ」
・Where 「どこで」
Why「原因」を洗い出すコツを教えて!
原因を洗い出すコツとしては、問題のプロセスを丁寧に分解してからWhyを考えることです。
具体例として、「副業ブログを継続できない」という問題の原因を洗い出してみます。
下図のように、まずはブログが続けられなくて辞めてしまうときのプロセスを書き出します。
その下にそれぞれの原因を書いていきます。
このように目に見えるプロセスを洗い出してから、それを元に原因を考えるとモレなく検討できます。
今回は原因の洗い出しは1段階で終わりましたが、本書ではその原因の原因は何かという、もう一段深いところまで分析をしていました。
原因まで洗い出せたら、あとはHow「解決策」の提示です。
ここでも5W1Hの軸を使って考えることが有効です。
・Who 「誰」
・What 「何」
・When 「いつ」
・Where 「どこで」
・Why 「なぜ」
・How 「どのように」
ブログを続けられない原因から解決策を出すと、上の図のようなものがでてきました。
この中で出てきた「朝活をする」という点は実際に私も取り入れています。
まとめ:シンプルに結果を出す人の5W1H思考
ここまでの内容をまとめます。
・Big-Whyまでさかのぼって考える
・5W1Hでモレなく考える
・説明ではWhy-What-Howを使う
・3W1Hで筋の良い問題解決をする
5W1H思考は、仕事でも普段の生活でも、どこでも使えるスキルです。
シンプルさゆえに応用範囲が広く、柔軟に組み合わせればどんな状況にも対応できるツールだと思いました。
あなたもぜひこのスキルを身に付けるために、この本を読んでみて下さい。