【書評・要約】今日からFIRE!おけいどん式 40代でも遅くない退職準備&資産形成術

本書「今日からFIRE!おけいどん式 40代でも遅くない退職準備&資産形成術」は平凡なサラリーマンだった著者がFIREするに至った人生観、投資方法を綴った本です。

結論から言うと、慎重な性格な方がFIREを目指す際には是非参考にしたい本です。


ゆうすけ

本書の著者である”おけいどん”さんの人柄が前面に表れた本だと思います。


本書の要点は下記の通りです。

・リスクを想定してFIREに必要な金額を見積もろう
・支出を抑えて貯める力を付けよう
・米国株、高配当株で資産形成をしよう

より具体的な内容と私の見解を解説していきます。


この本をおすすめしたい人

・FIREを目指していて、石橋を渡るタイプの人

・安全にFIREを達成するために必要な金額を知りたい人

・高配当株の選定基準を知りたい人



“おけいどん”さんってどんなひと?

著者のおけいどんさんのプロフィールはこんな感じです。


・関西在住・47歳男性・実家住み
・2020年に25年のサラリーマン生活を経て1億円の資産とともにFIREを達成
・ブログ「おけいどんの適温生活と投資生活」を運営

性格は適温生活という言葉のイメージがピッタリで、肩ひじ張らない素朴な方です。
実際私もTwitterで絡んだことがあるのですが、気さくに返信いただきました。

またご自身で自分の性格を「石橋を叩いて壊して、新しい鉄橋に造り替えてから渡る」とおっしゃっており、非常に慎重な性格の持ち主です。
そんな方が思い切ってFIREした際の考え方は、同じように慎重な性格である私にとっては非常に参考になるものでした。


FIREするためにいくら貯めれば良いか

FIREに必要な金額は下の式から導くことができます。

年間支出 ≤ 元手×投資利回り(税引き後)

この元手部分がFIRE時に必要な金額となります。
おけいどんさんの場合、月々の支出は20万円で年間にすると240万円。
期待できる投資利回りは税引き後で3.6%として、7000万円あればFIREできたそうです。
しかし慎重な彼はそこからさらに予備資金2400万円が必要だと考えました。


ゆうすけ

予備資金の考え方を教えて!


おけいどんさんの場合、最悪のケースを想定してそれをカバーできる金額を計算しました。
具体的には、配当で貰える金額が半分の10万円になった場合を想定したそうです。
月々の生活費20万円を賄うためには10万円足りません。

これを年金が貰えるまでの20年間カバーしようとすると、10万円×12か月×20年間=2400万円となります。
最終的には+αが加わった1億円でFIREしたわけですから、本当に慎重な方です。

ここから学べるのは自分なりのリスクを想定して、予備資金を用意する必要があるということです。
ちなみに私は次のような考え方で予備資金を用意しようと考えています。

暴落が発生した場合、相場が元の状態に戻るのは約5年(過去実績から)。
この5年間の生活費を予備資金として用意することで、配当の原資となる株式を現金化することなく運用できる。


FIRE達成を加速させるには貯める力を付けよう

他のFIRE本でも語られている通り、投資の種銭を増やすために支出を抑えることが重要だと書かれています。
種銭を増やすための工夫の中から参考になったものを3つ紹介します。

①いらなくなったものはメルカリで出品しよう。
②1日の小さな出費は、1年で換算したらいくらかを考える
③活力を与えるプチ贅沢はアリ

2つめについては、例えば1日100円のペットボトルは何気なく買ってしまいがちですが、
年間にすると36,500円です。少しはマイボトルにしようかなと思えるのではないでしょうか。

3つめについて、おけいどんさんは月1回の贅沢としてザ・リッツ・カールトンで2,500円のケーキセットを頼んで優雅な時間を過ごされているそうです。これは年間で3万円の出費にはなりますが、翌日からの活力源となっているとのこと。
お金を払ったことで充実した時を過ごし、活力源となるお金の使い方はアリということです。


おけいどん式投資スタイル

おけいどんさんがおすすめする投資手法を2つ紹介します。


①手取り月給から貯金と投資に振り分けよう

月々の手取り月給から、貯金と投資に同額を振り分けていくスタイルです。
例えば手取り月収が20万円の場合、理想的な例は7万円貯金、7万円投資に回すことです。
投資の方を年率7%で運用できた場合、29年後に1億円が貯まります。


②米国株で資産形成をしよう

米国株で資産形成する理由は、他書籍等でも取り上げられているのでここでは割愛します。
本ブログ内でも解説した記事があるのでリンクを貼っておきます。
本気でFIREをめざす人のための資産形成入門

おけいどんさんが実際に買っている銘柄も本書では紹介されています。
その中の一つにS&P500種指数に連動するETFがあり、これは米国を代表する企業を詰め合わせたパックで、初心者にも大変おすすめの銘柄です。しかもこれは日本の株式市場にも上場しており、すぐに買うことが出来ます。
・iシェアーズ S&P500 米国株ETF(1655)
・iシェアーズ S&P500 米国株ETF(為替ヘッジあり)(2563)


おけいどん式株の選び方

個別銘柄を買いたいという人のために、本書ではおけいどん式・株の選び方も紹介してくれています。
基本的には、高配当株の銘柄選定基準になります。
配当利回りは誰でもチェックすると思うので、それ以外のチェックポイントが紹介されています。
その中でも下記がポイントになっていると感じました。


そもそも儲かる事業か、参入障壁はあるか

配当は企業の利益から捻出されるので、今後も収益を上げ続けられるかという視点が大事です。
それを測る指標が、儲かる事業なのか、参入障壁はあるかという点になります。


フリーキャッシュフローと自己資本比率をチェック

フリーキャッシュフローとは、営業キャッシュフロー(営業で得たお金)から投資キャッシュフロー(投資活動に使ったお金)を差し引いた金額のことです。
自己資本比率は会社の総資本に占める純資産の割合のことです。
これらの数値が高いほど、財務健全性が高く安心できる銘柄です。


PERとROEは適正か

PERはその銘柄の1株当たりの利益に対して何倍まで買われているかを表します。
低ければ低いほど割安と考えて下さい。これが業種平均よりも高すぎると買われすぎ、つまりは割高となります。

またROEは株主が樋下資金を元に、企業がどれだけ収益をあげられているかを示します。
基準として2ケタは欲しいところです。


おけいどんさんのポートフォリオ公開

2021年1月時点でおけいどんさんが保有している銘柄を公開します。
最新のポートフォリオは下記ホームページでも公開されてますのでご参考までに。
おけいどんの適温生活と投資日記(節約FIRE、世界高配当・増配株投資)

銘柄名市場ティッカーコメント
MICROSOFT CORPNASDAQMSFTご存じマイクロソフト。
成長株かつ増配株。
VISA INC ANYSEVクレカ決済最大手。
キャッシュレス化が追い風。
i シェアーズ S&P500 米国 ETF東証ETF1655東証に上場しているETF。
日本株と同じように購入可能。
ライオンフィリップ S-REIT ETFSGXLIOPシンガポールの不動産投資信託。
シンガポールは不動産の需給が安定。
分配金も高め。
TAIWAN SEMICONDUCTOR ADRNYSETSM世界トップクラスの半導体製造技術を有する。増配株。
ASML HOLDING NYRSNASDAQASML半導体製造装置メーカー。
世界の半導体メーカーの80%が同社の露光装置を使用。
増配株。
MSCI INCNYSEMSCI株価指数の算出や分析を行う。
利益率高く、分配も増配が続く。
BCE INCNYSEBCEカナダ通信大手。
値動きも安定的で増配株。
VANGUARD HIGH DIVIDEND YIELD ETFNYSEVYMアメリカの高配当な銘柄を組み入れたETF。
PROCTER & GAMBLE CONYSEPGご存じP&G。連続増配が60年続く。


まとめ:今日からFIRE!おけいどん式40代でも遅くない退職準備&資産形成術

本書は普通のサラリーマンがFIREするために必要なことが書かれています。

慎重すぎる著者の考え方に沿って戦略を立てることで、堅実にFIREを達成するための道筋が見えてきます。
特にFIREに必要な目標金額の立て方が参考になりました。

ぜひ手に取って読んで、行動してみて下さい。

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